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南太平洋に浮かぶ島々、そこには古くから人々の暮らしに寄り添ってきた植物があります。それが「カバ」と呼ばれる植物です。コショウ科に属するカバは、蔓のように他のものに絡みつきながら成長していく常緑樹です。高さは3メートルほどになり、緑色の葉が生い茂ります。 このカバ、実は根の部分に特別な力を秘めていると信じられてきました。人々は古くから、カバの根を丁寧に掘り起こし、細かく砕いたり、すり潰したりして使用してきました。そして、この根の粉末に水やココナッツミルクなどを加えて作られるのが、南太平洋の伝統的な飲み物です。 この飲み物は、人々が集まる際に欠かせないものでした。結婚式や葬式などの儀式はもちろんのこと、客人をもてなす席にも必ずと言っていいほど登場しました。そして、人々は共にこの飲み物を分かち合うことで、互いの心を解きほぐし、絆を深めていったのです。 現代社会においても、カバは南太平洋の人々の生活に深く根付いています。日々の疲れを癒し、心を穏やかにする効果があるとされ、現代でも多くの人々に愛飲されています。