硝酸イオンで血圧ケア?その効果とメカニズム
- 硝酸イオンとは硝酸イオンは、窒素原子1つと酸素原子3つが結合した、マイナスの電気を帯びた原子集団のことを指します。物質を構成する基本的な粒子である原子が結びついて、プラスやマイナスの電気を帯びた状態になったものをイオンと呼びます。硝酸イオンは自然界に広く分布しており、土や水、大気中など、様々な場所に存在しています。土壌中では、窒素を含む有機物が分解される過程や、微生物の働きによって硝酸イオンが生成されます。植物はこの土壌中の硝酸イオンを根から吸収し、自らの成長に必要なタンパク質やDNAなどの重要な成分を作り出すために利用します。そのため、硝酸イオンは植物にとって、欠かすことのできない栄養素の一つとなっています。私たち人間は、野菜や果物など、植物を食べることで、間接的に硝酸イオンを摂取しています。硝酸イオン自体は人体に無害ですが、体内での変化には注意が必要です。体内に入った硝酸イオンの一部は、唾液や腸内細菌によって亜硝酸イオンへと変化します。この亜硝酸イオンは、特定の条件下では、発がん性物質であるニトロソアミンの生成に関与する可能性が指摘されています。しかし、通常の食生活を送る上で、食品中の硝酸イオンを過度に心配する必要はありません。厚生労働省は、食品中の硝酸イオンについて、健康への影響を考慮し、摂取量の上限値を定めています。バランスの取れた食事を心がけることで、硝酸イオンによる健康への影響を最小限に抑えられます。