危険な水辺の植物 ドクゼリにご用心
春の穏やかな日差しが降り注ぎ、凍てついていた湖や沼にも、再び生命の息吹が感じられる季節となりました。水辺は、冬の寒さを耐え抜いた植物たちが、一斉に芽吹き始める、生命力あふれる場所です。
しかし、その美しい風景の中には、私たち人間にとって危険な罠が潜んでいることを忘れてはなりません。 緑鮮やかな植物の中に、食用と似ているにもかかわらず、強い毒を持つものが存在するのです。
今回ご紹介するのは、「ドクゼリ」という植物です。ドクゼリは、セリによく似た外見を持つことから、その名が付けられました。セリは春の七草の一つとして知られ、食用として親しまれていますが、ドクゼリは猛毒を持つため、絶対に口にしてはいけません。
ドクゼリは、水辺の湿地帯に自生し、高さ1メートルほどに成長します。葉はセリと同様に細かく切れ込み、茎は中空なのが特徴です。ドクゼリが持つ毒は非常に強く、誤って口にしてしまうと、嘔吐、下痢、けいれん、呼吸困難などを引き起こし、最悪の場合、死に至ることもあります。
水辺で植物を採取する際は、食用と確実に判断できるもの以外は、絶対に口にしないように注意しましょう。 もし、誤って毒を持つ植物を口にしてしまった場合は、すぐに医療機関を受診してください。