その他 ベラトルム・アルブム：伝統と危険を秘めた植物
- 概要
ベラトルム・アルブムは、ヨーロッパを原産とするユリ科の植物です。その名の通り、純白で美しい花を咲かせることから、観賞用として庭に植えられることもあります。しかし、その美しさとは裏腹に、根茎には強い毒性を持つため、取り扱いには十分な注意が必要です。
古くからその薬効が知られており、民間療法では痛風やリウマチの治療薬として用いられてきました。また、嘔吐誘発作用があることから、毒物を誤飲した場合などに、体内から毒物を排出させるために用いられることもありました。しかし、毒性が非常に強く、用法や用量を少しでも誤ると、嘔吐、下痢、心臓麻痺などの深刻な副作用を引き起こす危険性があります。そのため、現代医学においては、ベラトルム・アルブムを治療に用いることはほとんどありません。
ベラトルム・アルブムは、その美しい花と危険な毒性を併せ持つ、二面性を持つ植物と言えるでしょう。安易に触れたり、口に入れたりせず、適切な知識と注意を持つことが重要です。
