ミドリムシ:植物?動物?その驚くべき可能性
- ミドリムシとはミドリムシは、私たちにとって身近な水田や湖沼といった淡水環境に生息する微生物です。その名の通り、まるでムチのようにしなる器官(鞭毛)を巧みに使って水中を移動する姿が特徴です。顕微鏡で観察すると、緑色をした楕円形の体をしていることがわかります。ミドリムシは、植物と動物の両方の特徴を併せ持つ、非常に興味深い生物です。植物のように葉緑体を持ち、太陽の光を浴びて光合成を行い、自ら栄養分を作り出すことができます。これは、私たち人間を含む動物にはできないことです。つまり、ミドリムシは光合成を行うことで、地球上に酸素を供給し、環境にも貢献しているのです。一方で、ミドリムシは細胞壁を持たず、鞭毛を使って自由に動き回ることができます。これは、動物的な特徴と言えます。動物のように他の生物を捕食することはありませんが、光合成ができない環境では、周囲から栄養を吸収して生きていくこともできます。このように、ミドリムシは植物と動物の両方の性質を備えた、進化的に見ても極めてユニークな生物なのです。