果実

- 奇跡の果実、ミラクルフルーツとは西アフリカの熱帯雨林にひっそりと自生するミラクルフルーツ。高さ3メートルほどの常緑低木に、赤く輝く小さな果実をつけます。その見た目からは想像もつかない不思議な力を持つ果実として、近年注目を集めています。ミラクルフルーツの最大の特徴は、味覚を変化させることにあります。果実自体は甘みも少なく、際立った風味もありません。しかし、ミラクルフルーツを口にした後、レモンなどの酸っぱいものを食べると、驚くべき変化が訪れます。酸味が抑えられ、まるで甘い果汁を味わっているかのような感覚に包まれるのです。この不思議な現象は、ミラクルフルーツに含まれるミラクリンというタンパク質によるものです。ミラクリンは、舌の味蕾にある甘味受容体に結合し、酸味を感じにくく、甘味を強く感じるように働きかけます。その効果は一時的で、数十分から数時間持続します。近年では、このミラクリンの働きに健康効果が期待されています。砂糖の代わりにミラクリンを利用することで、糖分摂取を抑えながら、甘いものを楽しむことができる可能性を秘めているのです。ただし、ミラクルフルーツは熱帯の植物であるため、日本ではまだ栽培が難しく、果実を手に入れることは容易ではありません。今後の研究や栽培技術の発展に期待が寄せられています。