ヤロウ

古来より人々に愛されてきた植物は数多くありますが、その中でもヤロウは、神話や伝説に登場するほど、深く歴史に刻まれた植物と言えるでしょう。 古代ギリシャの英雄アキレスが、戦場で受けた傷を癒やすためにヤロウを使ったという伝説はあまりにも有名です。ギリシャ神話最強の英雄として知られるアキレスに由来する学名を持つことからも、ヤロウがいかに古くから人々に認識され、大切にされてきたかが分かります。 ヤロウは西洋だけでなく、東洋でもその存在を知られていました。中国では、ヤロウを使って未来を占ったり、邪気を払う魔除けとして用いたりと、神秘的な力を持つ植物として扱われていました。 西洋では、ヤロウは傷口からの出血を止めたり、傷の治りを早めたりする効果があるとされ、民間療法において重要な役割を担ってきました。人々は経験的にその薬効を知り、代々受け継いできたのでしょう。 このように、ヤロウは東西を問わず、人々の生活に深く根付いてきました。現代においても、その薬効に再び注目が集まっており、健康食品やハーブティーとして、多くの人々に愛飲されています。