フランスギク

ヨーロッパの地中海沿岸に広がる温暖な地域を原産とするフランスギクは、キク科の多年草です。その名前からフランスに縁が深いと思われがちですが、実際にはヨーロッパ全域に分布しており、日本にも帰化植物として根付いています。「フランスギク」という和名は、パリ郊外にこの花が多く自生していたことから名付けられたという説が有力です。 フランスギクは、春から夏にかけて可憐な花を咲かせます。花びらは白色で、中心部は鮮やかな黄色をしており、そのコントラストが美しいのが特徴です。日本で見られる近縁種には、フランスギクよりも小ぶりな花を咲かせる「ヒナギク」や、黄色い花びらが特徴の「オオキンケイギク」などがあります。 繁殖力が強く、道端や空き地など、さまざまな場所で力強く花を咲かせるフランスギクは、ヨーロッパでは古くから身近な植物として親しまれてきました。その可憐な姿は、絵画や文学作品にも多く登場し、人々の心を和ませてきました。例えば、フランスの画家クロード・モネは、フランスギクをモチーフにした作品を数多く残しています。また、イギリスの作家ウィリアム・シェイクスピアの戯曲『ハムレット』にも、フランスギクが登場することで知られています。