意外と知らない?注目の果実「マルメロ」の魅力
- 歴史に根付く果実、マルメロマルメロは、紀元前から地中海沿岸地域で栽培されていた、歴史ある果実です。その歴史は古く、古代ギリシャやローマ時代の人々にも親しまれてきました。ギリシャ神話に登場する愛と美の女神、アフロディーテの聖なる木とされていたことから、マルメロは単なる果実ではなく、美しさや愛の象徴として、人々の心に特別な印象を与えていたことがうかがえます。日本へは、奈良時代に中国から伝わりました。その当時は、食用としてよりも、その珍しい形と芳しい香りを愛でる、観賞用の植物として楽しまれていたようです。現代では、マルメロは観賞用としてだけでなく、その独特の風味を生かした加工品が作られています。生の状態では堅く酸味が強いため、そのまま食べることはあまりありませんが、加熱することで鮮やかな紅色に変化し、芳醇と呼ばれる甘い香りを放ちます。この香りは、ジャムやゼリー、リキュール、砂糖漬けなどに加工することで、より一層引き立ちます。また、マルメロには、ビタミンCや食物繊維、カリウムなど、健康に良いとされる成分が多く含まれています。歴史と伝統を受け継ぎながらも、現代人の健康志向にも応える果実として、マルメロは再び注目を集めています。