生命力あふれるアミノ酸、シトルリンのパワー
- スイカから発見された注目の成分夏の風物詩として親しまれているスイカ。その赤い果肉には、甘みだけでなく、私たちの健康を支える成分も含まれています。1930年、日本の研究者によってスイカから発見された「シトルリン」というアミノ酸が、近年注目を集めています。アミノ酸は、私たちの体を構成するタンパク質の材料となる、いわば「体の栄養ブロック」です。そして、シトルリンは、スイカが強い日差しや乾燥といった過酷な環境でも育つことができる秘密を握る、重要な成分の一つと考えられています。シトルリンは、体内で血管を拡張する効果を持つ一酸化窒素の生成を助ける働きを持つことが分かっています。一酸化窒素は、血管をしなやかに保ち、血流をスムーズにすることで、健康維持に役立つと考えられます。さらに、シトルリンは運動による疲労軽減効果も期待されています。運動すると、体内でアンモニアという疲労物質が生成されますが、シトルリンは、このアンモニアを体外に排出する働きを助けると考えられています。このように、スイカから発見されたシトルリンは、私たちの健康を支える可能性を秘めた成分として、更なる研究が進められています。今年の夏は、みずみずしいスイカを味わいつつ、その栄養価にも目を向けてみてはいかがでしょうか。