黄金のスパイス、サフランの魅力
- サフランとは秋になると、地面からにょっきりと紫色の美しい花を咲かせるクロッカス。クロッカスはアヤメ科の多年草で、観賞用として親しまれています。実はこのクロッカスの仲間である「サフラン」から、私たちがよく知る貴重なスパイスが採れます。サフランの花の中心には、鮮やかな赤い雌しべが3本あります。この雌しべこそが、独特の香りと味わいを持ち、世界中で愛されるスパイス「サフラン」です。サフランは、古代から高級香辛料として珍重されてきました。クレオパトラもその美しさを保つために愛用していたという逸話も残っています。サフランが「赤い黄金」と称される所以は、その希少性にあります。サフランは、開花期が非常に短く、しかも手作業で雌しべを採取しなければなりません。そのため、大変な手間と時間がかかり、生産量も限られています。最盛期には、サフランは金と等価で取引されたこともありました。現代でも高価なスパイスとして知られていますが、その香りと味わいは、一度味わうと忘れられない魅力を持っています。