古来より珍重されるサネブトナツメの力
- ナツメの原種、サネブトナツメサネブトナツメは、ヨーロッパの南東部からアジア大陸の東部や南部まで、広範囲に分布する落葉樹です。秋になると葉が落ちるタイプの樹木で、高さは5メートルから10メートルほどに成長します。私たちが普段食べているナツメは、このサネブトナツメを品種改良して生まれたものです。そのため、サネブトナツメは「ナツメの原種」とも呼ばれています。日本では、サネブトナツメはあまり見かけませんが、品種改良されたナツメは庭木などとして親しまれています。夏になると、枝の葉の付け根あたりに、小さな黄色の花を咲かせます。花はあまり目立ちませんが、その後に直径1~2センチほどの小さな実をつけます。実ははじめ緑色ですが、熟すと赤褐色に変化します。サネブトナツメの実は、熟すと甘酸っぱい味がして食用もできます。しかし、果肉が薄く、種子が大きいのが特徴で、私たちが普段食べているナツメと比べると、可食部分は多くありません。それでも、野生動物にとっては貴重な食料源となっており、鳥などがその実を食べにやってきます。