免疫力を支えるLPSの力とは?
- エル・ピー・エスとは?
エル・ピー・エスは、「リポポリサッカライド」という物質の略称です。 リポポリサッカライドは、その名前の通り、脂質と多糖が結合した分子です。
細菌は、大きくグラム陽性菌とグラム陰性菌の二つに分類されますが、エル・ピー・エスは、このうちグラム陰性菌の細胞壁の外側に存在し、細菌が外界と接する際の最外層を形成しています。
エル・ピー・エスは、細菌の種類によってその構造が異なります。この構造の違いは、例えるならば、人間の顔や体の特徴が一人一人異なるように、それぞれの細菌を特徴づける重要な要素となっています。
例えば、ある種の細菌が体に侵入してきたとき、私たちの体は、その細菌のエル・ピー・エスを認識することで、「敵」であると判断し、免疫システムを作動させて排除しようとします。
このように、エル・ピー・エスは、細菌にとって無くてはならない存在であると同時に、私たちの体にとっても、細菌を認識し、感染から身を守るために重要な役割を担っています。