健康を支えるクローブの力
クローブは、バニラのような甘い香りと、山椒を思わせるようなピリッとした刺激が特徴的なスパイスです。この独特の風味は、お菓子や料理に深みと複雑さを加えることから、世界中で愛用されています。日本では「丁子(ちょうじ)」という名前で古くから親しまれてきました。正倉院にも保存されていることから、その歴史の深さが伺えます。
クローブは、フトモモ科の常緑樹であるチョウジノキの花のつぼみを乾燥させたものです。原産はインドネシアのモルッカ諸島で、かつては香料貿易の重要な品目として珍重されていました。その香りの高さから、古くから様々な文化圏で宗教儀式や医療にも用いられてきました。
クローブの独特の香りと刺激は、オイゲノールという成分によるものです。オイゲノールには、消化促進作用や抗菌作用、鎮痛作用などがあるとされ、民間療法で歯痛や腹痛、吐き気などを和らげるために用いられてきました。
クローブは、その強い香りと刺激を持つため、使用量には注意が必要です。少量でも十分に風味を活かすことができるので、まずは少量ずつ試してみることをおすすめします。また、粉末状のクローブは香りが飛びやすいため、ホールで購入し、使用する直前に挽くのがおすすめです。