海のハーブ、クリトムム・マリティマム
青い海と砂浜が広がる海岸線。そこには、厳しい自然環境にも負けずにたくましく生きる植物たちがいます。その一つが、ヨーロッパからアジア、地中海沿岸、黒海沿岸にかけて広く分布するセリ科の多年草、クリトムム・マリティマムです。
クリトムム・マリティマムは、岩場や砂地など、他の植物が生育するのが難しいような場所でも力強く根を張り、潮風や塩分にも耐えることができます。その姿は、まるで荒波にも屈しない海の精霊のようにも見えます。高さは60センチほどに成長し、緑色の多肉質の葉は、海岸線に緑の彩りを添えます。
厳しい環境で育つクリトムム・マリティマムは、古くからその生命力にあやかり、食用や薬用として人々に利用されてきました。その葉は、独特の塩味と爽やかな香りが特徴で、サラダやスープの具材として、また肉料理の付け合わせなどにも利用されます。
海岸線の風景を彩り、そして人々の生活にも寄り添ってきたクリトムム・マリティマム。その力強い生命力は、私たちに自然の力強さ、そして生きる勇気を与えてくれます。