イチイ

- イチイとはイチイは、常緑針葉樹の仲間で、その堂々とした姿から「一位」の漢字があてられています。成長すると高さ10メートルから20メートルにもなり、中にはさらに大きくなるものも見られます。まっすぐに天に向かって伸びる幹が特徴で、その幹から四方八方に枝を伸ばします。枝には、線形で先端がとがった葉が規則正しくびっしりと2列に並んでつきます。その様子は、まるで鳥が羽を広げたように美しく、古くから人々に愛されてきました。 春になると、3月から5月にかけて小さな花を咲かせます。花は目立たず、葉の付け根にひっそりと咲くため、注意深く観察しなければ見つけることは難しいでしょう。その後、秋になると赤い実をつけます。ただし、イチイの実は種子を含んだ部分以外は有毒であるため、口にすることはできません。イチイは、日本の東北地方や北海道といった寒冷な地域に多く分布しています。厳しい寒さにも耐えられる強さを持つ一方で、大気汚染には弱いため、都市部ではあまり見かけることがありません。古くから神社やお寺に植えられてきた歴史があり、その長寿さから神聖な木として大切にされてきました。また、材質が硬く美しいことから、建築材料や家具、彫刻などにも利用されてきました。