アマチャ

- アマチャってどんな植物？アマチャは、日本の山々に自生する、アジサイの仲間の植物です。高さは1〜2メートルほどに成長し、夏になると可愛らしい白い花を咲かせます。一見すると、私たちが普段目にしているアジサイとよく似ていますが、アマチャには、その葉に他のアジサイにはない大きな特徴があります。アマチャの葉には、甘味成分であるフィロズルチンが含まれています。フィロズルチンの甘さは砂糖の400倍から800倍にもなり、かつては砂糖の代用品として活用されていました。そのため、アマチャは「甘茶」と呼ばれるようになったのです。アマチャは、4月8日の仏様の誕生日である灌仏会（かんぶつえ）に欠かせない存在です。この日には、甘茶を煮出したお茶を仏像に注ぎかける「甘茶かけ」という伝統的な儀式が行われます。これは、お釈迦様が生まれた際に、天から甘露の雨が降ったという言い伝えに由来しています。このように、アマチャは古くから日本人に親しまれてきた植物です。砂糖の代用品として、また仏教行事と深く関わってきたアマチャは、日本の歴史や文化を語る上で欠かせない存在と言えるでしょう。